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人の世は

 昨晩、お店が終わり店を閉め自転車に乗って帰ろうとしたときの事。店の脇の路地を一人の男とすれ違いました。その男は大きなゴミの袋を持っていまして通り過ぎてから、深夜2時にこれはおかしいと思い後ろを振り返ってみると、僕の店の隣の店のシャッターが下りているところにゴミ袋を置いて足早に去っていきました。今思えばすぐに追いかけて文句を言えばよかったのですが、とっさのことに対応できなかった自分があとになって悔やまれます。
 その大きなゴミは多分同業者のものでしょう。店のゴミは毎日収集してくれるかわりに事業者用のゴミ回収シールをコンビニで買ってそれを貼って出します。まあ、一袋、百何十円といったレベルなのですが、それをけちって人の店の前に捨てていく不届き者がいるわけです。たかがそのぐらいの金額をけちるために人がどう迷惑するとか関係なく自分さえよければいい馬鹿者がけっこうたくさんいる。身近なところでもこんな嫌な気持ちにさせる馬鹿者が何人もいるかと思うと怒りを通り越して悲しくすらなります。

 こういうことが今日本では上から下まで横行しているのが現状でしょう。耐震偽装問題しかり、IT関係の虚偽の申告による証券取引しかり、はたまた、毎日のように記事になる民間企業での横領事件しかり、役人どもの搾取および不正しかり、そして税金を垂れ流し借金を増やし続けるアホな国政しかり。嘘ついたって、人が泣こうが苦しもうが自分さえよけりゃそれでいい。お縄になるまではどんな手段使ったって金儲けりゃ勝ち。物量的、計数的なことだけが価値につながりそれだけで勝ち負けが判断される。人間的にどう生きたかなんて関係なし、人としてどうあるべきかなんてナンセンス、日本はそんな時代になってしまったというわけです。

 もうほんとこんな国なくなっちまえばいい、なくならないならこんな国から逃げちまったほうがいい、真剣に考えてしまいます。自分がいくらまともだと思って生きていても、結局そのなかに巻き込まれて自分を見失うことになるのではないか。人間の本来の尊厳を捨てなけりゃこの国では生きていけないのではないか。ほとほと馬鹿者たちの茶番劇を見るのは疲れました。怒る気力さえ失せるのですよ。

 かといってすべてに目をつぶり一人世間とは関係なく生きていくこともできない。人の世とはいつの時代も生き難いものなのでしょうか。

 「山路を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい」
 
 夏目漱石 草枕より

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