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長い年月を経て気づかされること

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 日々気持ちよく過ごす。手に触れたときの感覚、目に映ったときの心の動き、音が流れ出して喚起される心地よい躍動、おだやかな香りとたゆたう陽だまりの暖かさ。なにげない日常も自分しだいでゆとりのある時間に変わっていきます。

 食べること、飲むことというのもやり方によって日常が楽しく生き生きするための手っ取り早い方法でしょう。ただそのやり方もいろいろあるわけで、有名な店で高級な料理をたべ高いワインを飲めばいい、というわけでもないでしょう。(まあそれを日常としている人もいることはいるでしょうが)
 やはり大事なのは、毎日の普通の食事やお茶やお酒の時間をを少しだけ大切に思いながら過ごしていくということ。ほんのちょっとの気遣いでその時間が素敵なものになっていくと思います。

 料理にちょっと手間をかけたり、お酒もちょっとだけ凝った飲み方をしてみるとか(ビール一杯だってコップに注意深く注げば味は変わるし綺麗な泡は美しいです)お茶の葉に興味を持って飲み比べてみるとか。それだけでせわしない日常の時間が何倍もの充実したものに変わっていく。

 そんな時間をさらに演出してくれてとてもいい気持ちにさせてくれるもの、テーブルウェアもデザインの気に入ったものを日々使うと気持ちのいいリズムを生活に作ってくれると思います。
 僕の実家は父親が食器、グラス、カトラリーが大好きだったので家族四人にしてはたくさんのテーブルウェアーの中で育ちました。今でも実家に帰ると長年使ってきた食器やグラスに出会いほっとします。やはりいいものは長い時間の中でしっくりとなじんでくるものです。

 その手にしっくりとくるという点で実家のカトラリーはデザイン、重さ、使い勝手の良さどれをとっても秀逸なものです。黒い木の柄がついた太いスプーン、ナイフ、フォーク。これで子供の頃からカレーライスやスパゲッティをずっと食べるのに使ってきました。長いこと、このデザインは誰だろうと思っていたのですがどうやらこれは有名なプロダクトデザイナーの柳宗理のものではと今思っています。現在も黒柄カトラリーシリーズとして売られているものでフォークの先の形状、木の柄の感じがまさに同じです。だとしたら昭和30年代から実にいい物にふれながら自分は育ったわけで父の慧眼はたいしたものだとあらためて思います。40年近く使って柄とステンレスの部分がずれたりがたがくることなく耐久性も素晴らしいの一言。そしてシンプルで手にしっくりとくる木の感触、これこそまさにグッドデザインであります。

 日々消費されていく薄っぺらなものに惑わされないでゆとりのある地に足の着いた生き方をする、というのはこういうところにケチらないでいいものを長年使っていく(それはやみくもに高い価格のものを買えばいいということではないですが)、ところから始まるのかもしれません。こんなに長いこと気持ちのいい時間を提供してくれるデザイン、それは決して高いものではないはずです。

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