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穴はなにで埋めていくのか

 今朝で日本のサッカーワールドカップドイツ大会は終りましたが・・・・、僕も朝試合見ていましたがスポーツとして楽しく観戦させていただいただけで、知識的にもたいしたことありませんし、サッカーファンとはいえるほどではないのでサッカーというスポーツとは別の側面でちょっと感じたことを。

 日本国民がかなりの熱狂でサッカーを見るようになりマスメディアは大騒ぎをし、愛国心うんぬんとか、ナショナリズムが、とかまで問題視されるような昨今、どうして日本はこんなにサッカー大好き国家になったのでありましょうか。野球が面白くなくなったからとか、サッカーが過去よりも強くなったからそれだけ関心を集めるようになったとか、細かい理由はあると思います。またはJリーグの関係者の努力などもそりゃあるでしょう。

 しかし、ここまでの盛り上がりはすでに社会現象といってよく、こうなるには明らかに社会自体が変わっていっている中での影響がたぶんにあるのではと僕は思います。

 一番の大きな理由は日本人の精神的支柱の欠如、というのがこのサッカー熱、というかサッカーを通じて集団的結束力に実を委ねる心地よさに繋がっているのではということでありまして、これは誤解を恐れずにいえばジャニーズに熱狂する人たちにも共通のことが言えるかもしれません。

 バブルの崩壊後に日本は高度成長社会の終焉を迎え、その時期を境にしてサッカー熱が急速に盛り上がっていく。これは日本人には社会性として、もしくはカウンターバランスとしての精神的支柱イコール天皇制なきあとの高度成長神話が肩代わりしてきた右肩上がり経済信仰が大半の日本人の心の支えであったことは明白な事実であります。しかし、その神話がバブル後に壊れ、特に若者の何をしたらいいのかわからない(右肩上がりがなくなれば、いい学校いい会社に入りレールに乗ることの意味がなくなる)といった心の空洞化からおこるアナーキズム的衝動を埋める代償作用が、ここ最近に見られる熱狂的サッカー信仰というものに変化していったのではないかと思うのであります。

 サッカーが盛り上がりを見せるには二つのパターンがあり、一つはこの先進国が成熟社会になっていくことで精神的支柱が失われる(西洋では宗教の衰退)不安に対する代償作用としての盛り上がりを見せるパターンと、発展途上国に見られる貧困や社会の不整備から来る混乱や不満をサッカーによって収束させようとするパターン。これは国がプロパガンダとして利用している部分もおおいにあるでしょう。前者はフランスや英国、イタリア、そして遅れてそうなった日本、韓国がそうでありましょうし、後者はご存知のとおり南米の国々やアフリカなどの国々が当てはまると思います。

 つまり日本もついに成長から成熟に移行し、社会の枠組みが大きく変わってきたのだなということが、このサッカー現象からもわかるわけです。さらにいえば、こういう理由なのですぐ短絡的に「愛国心」がどうのというわけではないのであります。もちろん、集団的心理とファシズムというのは紙一重ではありますが。

 やはり考えなければいけないのは、この心にぽっかりと空いた穴をなにで埋めていかねばならないのかということ。4年間に一回じゃねえ。それはそれでいいのだけれど、日々埋めていくにはどうしたらいいのか、そして、それを集団から切り離して自己の問題として考えなければいけないというのは、未だ個人主義的感覚が未成熟な日本人としてはサッカーは逆にいい機会でもあるのかもしれません。ブルーのユニホームにつつまれた個人の心もまた、ブルーであるのです。

 

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