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2006 0815-19 一日目

2006夏の旅、初日 秋田内陸線篇

Rimg0002_16  またあの風景の中に帰ることができる。僕がこの夏、連れのお方の実家に行くことを決めた時に先ず思ったことであります。昨年、初めて秋田県の北秋田市(もと合川町)を訪れてからすっかりあの自然に心を奪われてしまい、再び1年後に再会できることに「僕はこの秋田の自然といつかこういう関係ができる運命だったのか」と常々一人納得していたぐらいです。それほど僕には連れのお方のご両親にお会いできることも然ることながら、この県北(秋田の北側)を訪れることは無上の喜びであり、日々の生活で少しづつ自分の中で削られたものを再び取り戻す大切な時間でもあるようです。

Rimg0005_5  さて、そういう想いと共に今回の旅でどうしてもしたかったこと、それは秋田内陸線に乗って行きたいということでした。秋田内陸線とは秋田県を真ん中で南と北を結ぶ鉄道でありまして、もともとは角館と松葉までを結んだ角館線と、鷹巣から阿仁合、比立内までを結んだ阿仁合線をつないだものが現在の秋田内陸縦貫鉄道であります。   全長94.2kmの深い山々の中を走るこの線はここのところ駅を利用する人々が過疎化と共に減少しいつ廃線になってもおかしくないと言われています。せっかくこの地と繋がることができた僕としてはどうしても今のうちにこの鉄道に乗っておきたい、そしてその車窓から見ることができる風景を目に焼き付けておきたい、さらに人の暮らしと自然との関係がこの車窓からなにかが見えてくるのではないか、そんな期待もあり僕らは角館から合川まで約2時間ちょっとの鉄道の旅を選んだのであります。

Image0091  一両のディーゼル列車、この緑かわいいのがコトコトと山間を走っていきます。それは何か僕の生まれるはるか前にタイムスリップしたかのような感覚になるほど、強い夏の日差しとともに僕には白昼夢のように思えるぐらい優雅な時間でした。まあ、連れのお方は乗って15分ぐらいで「ああ、退屈だあ」といって飴を舐めておりましたが。僕には退屈するどころか、もう窓に顔を貼り付けて外をずっと見ている子供そのもの、だんだんと山の深いところに入るにつれ変わり行く風景に魅せられっぱなしでして、ため息の連続であります。

Rimg0007_17    では夏の内陸線の車窓からの風景を何カットかお見せいたしましょう。あたり一面緑一色、深い山の色が目から入ってくるとすっと全身から力が抜けていくのがわかります。身体がそういうことを欲していたのが瞬間にして理解できるのでして、ああ、ここに帰ってきたかったのは僕の頭だけではなく身体すべてなのかと改めて納得するのでした。

Rimg0011_5  空は高く空気は澄み渡り、夏の日が眩く木々の緑をさらに色濃く映し出しています。 まっすぐと続く単線はこの風景にそのまま溶け込みまったく違和感がありません。それはこの土地の生活に内陸線という鉄道が長きに渡り普通にそこにあるものとして利用されてきていつの間にか自然の一部になってしまったみたいにすら感じます。別に感傷的になりたくてこの鉄道に乗ったのではないのですが、なぜか疼くものがある、それは日本人ならではの郷愁というものがここにあるからなのか、それはブラジル人のサウダージみたいなものなのか、そんなことを夢のような風景を見つつ考えていた僕であります。

Rimg0012_2  時間というものがこの地ではゆっくりと流れているようでして、川のせせらぎですらスローモーションのように僕には見えてくる。何十年もかわらずこの木々はここにあり、水はここを流れていく。人間だけが絶えずあくせくしていてそこでの中心のように思い上がっていても結局はこの自然には勝つことはできないだろう、僕は今回そう確信しました。結局、人はここに帰り、この地の土や水に返るしかないのでしょう。むしろ自分はそういう存在であるということを認識することに嬉しさすら覚えるのは年のせいだとは思いません。きっとやっと気づきだしたということなんだと思うのです。

Rimg0014_2   ああ、やっぱりちょっとセンチメンタルになってしまうなあ。そのぐらいの想いになってしまうというのがこの写真をみていただければ少しは解ってもらえるのではないでしょうか。それにしても、僕と連れのお方はほんと晴れ男と晴れ女でして、こういうドピーカンになってしまうことが多いのであります。そうでなければ大嵐という極端なことになるのでありますが、まさかこの旅の最後にそっちもくるとは。まあそれはまたあとでということで。今も僕はこの写真をみながらため息をついてしまうのであります。

Rimg0018  最後に一番のどかなカットを一枚。僕らが下車する合川の数駅まえから乗ってきたおじさん、いきなり靴を脱いで座席に足を伸ばして仰向けに寝てしまいました。僕は唖然として見てしましたが周りの乗客は何事もないように普通。ああ、ここではこの姿すら自然なことなのねえ、と思わず苦笑であります。結局、僕らが合川で降りた時もそのおじさんは寝たままでした。でも、なにかほっとしてしまった場面でしたねえ。コトコトと走る列車でおじさんは気持ち良さそうに寝ていていい光景でありました。(都会だったらそうは思えないのだけれどなぜかしら)

Rimg0017_3    内陸線に今回乗れて本当によかった。この車窓から見たこと感じたことは大変貴重な経験になったことは言うまでもありません。そしてそこにはただ自然があるだけではなく人がその場所に溶け込むように生活しているという事実。それを支えてきたこの鉄道がいかに人と自然を結ぶ役割を果たしてきたのか、それなのに今役目を終えようとしている現実。ノスタルジーだけでは理解できない問題もある、だけれども今ではここでしか感じることのできないものある、複雑な想いと胸が一杯になるほどの素敵な想いと共に僕は下車したのであります。

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コメント

ほんと、心にしみるよい景色。で、マスター写真ずいぶん上手になりましたね。腕を上げたか?それとも道具でしょうか???

やはり道具でしょう。最近のデジカメはこんなに綺麗にとれちゃうのであまり腕は関係ないかなあ。それとこの風景ですからね、どう撮影しても美しいのであります。

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