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日本のワインから感じたこと

Rimg0001_35  ここ最近気に入っているもの、それは国産のワインであります。お店でフランス、イタリアのワインは扱っていましたが国産の長野や山形のワインについてはほとんど知識も飲んだ経験もありませんでした。正直、まあ日本でワイン作りやっても気候や風土が違うしだいたいにして文化がないしなあ、なんてちょっと馬鹿にしていたのかもしれません。

 ところが、ちょっとしたきっかけで飲んでみた国産ワイン、びっくりするぐらいいつの間にかレベルが上がっていたのですね。いやあ、認識不足を謝らなければいけないとすら思うのですがそのぐらい美味くなっている。明らかに数年前のレベルより値段の安いもののレベルがぐっと底上げされたというか、品質から味わいまでこれはというものが出てきているように思います。

 ここでいうレベルのいいなあと思うのは、僕らが気軽に手にできる1000円から2500円がぐらいまでのものの話なのですが、前にもご紹介した甲府の山葡萄とカベルネの混合品種ワインや、先週末に近所の酒屋で買い求めた山形の高畠ワイン、上和田ピノ、ブランは秀逸なものであります。このピノブランも実にバランスがよく、香もいいし切れもありべたついたいやらしさがない。なにしろ1000円ちょっとの価格でこれが飲めるのはありがたいですねえ。家で食事と一緒に週末飲むならこれでいいじゃないですか。僕の所得レベルならほんとこれはありがたい。

 思うに、こういう低価格でいいものが出てきた背景には、ひとつに小さい生産者がすごくがんばって作っているということもありましょう。この2本とも大手酒造メーカーじゃない手作り的良さがあると思います。そして、もう一つはこの二つとも偉大なるフレンチの真似事をあまりしていない点というかな、飲んで美味ければフレンチやイタリアのまね、二番煎じをじゃなくてもいいじゃないの、という感じがするのね。やはり、カベルネソービニョンやピノノワール、それにシャルドネという品種はフランスのワインだからこそあのパフォーマンスを発揮する品種でしょうし、それを無理に日本でつくるのには限界があるでしょう。稀に上手くできたとしても馬鹿高いコストでその価格ならフレンチ買ったほうがいい、という逆転現象すらおきちゃう。それじゃああんまり意味ないしねえ。

 さらにもっと言うと、こういうワインがでてくる背景というのが変化しだしたというか、日本でのワインの飲み方がバブル頃のブランド飲みからやっと脱却して食事なんかとがんがん美味しく飲みとばせたらそれが楽しくていいじゃない、と思う人が多くなってきたように思います。僕は今から10数年前香港でワインを飲みだしたとき、スーパーの安いカリフォルニアワインを買って来て、手料理と共に毎日のようにガンガン飲みまくりました。もちろん、たまには高級ワインを買って来てその味わいに酔ったりもしましたけど、その頃友人たちと言っていたのは、「べつにグラスに鼻つっこんで飲むだけがワインじゃないよなあ。料理があってそれを美味しく食べるためのワインの飲み方だってあるし、そのほうが楽しいよ」ということでして、食文化とワインは密接なものだろうと思っていたのです。

 だから、香港時代パーティに欠かせないのはワインであったのですが、日本に帰ってくるとそうそうパーティというわけにはいかない。するとやはりワインというのはなかなか開けにくいのかなあとも思っていたのです。やはり食べ物といっしょに飲んでこそ、ワインの楽しさがある。それなのに日本に帰ってくるとみんなチーズぐらいだけで高級ワインを吟味するというか、毎回テイスティングすることに全神経注いじゃって、ワインはこういう楽しみ方だけじゃないのにといつも思っていたのです。

 ごはんが基本の日本だと食事にワインというのがどうも合わないというか、無理なんですよ。ところが僕らなんかもそうだけど、週末ご飯炊かないでバゲットにパスタ作ってそれで夕飯という食生活をする人たちが増えてきたというか、食生活がワインに合うようにやっとなってきた気がします。これは良い悪いを言っているのではなく、歴史的に見ても環境の変化、社会状況や家族のあり方や経済状況やライフスタイルの変化、すべてが作用して文化というものは根付いたり廃れたりするのでありましょう。ということは、ワインという日本にとっては異文化のひとつでしかなかったものが、やっと日本の文化にすこしづつなってきた、それがワインの飲める食生活への変化、さらに言えば前述した日本らしい低価格の普段飲みのできるワインが巷にでてくるようになった、ということに繋がっているのではと思うのです。

 パエリヤ、やピザ、パスタ、またはサラダにバゲット、こういう食事はもう僕らの世代では当たり前のものでしょうし、イタリアンやフレンチのレストランもお金持ちだけがいくという場所ではなくなってきた。そうなってきて初めてワインを飲む環境というのができてきたのでしょう。そして、これからは普段飲みでばんばん開けれる美味しいワインがたくさんでてくると思います。その影でいままで当たり前だった食生活が消えていったり、変わっていったりする。それもしょうがないことなのですが、今は安くて美味しいワインが日本で飲めるようになったことのほうが僕にはありがたいのであります。

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酒、料理」カテゴリの記事

コメント

そうですねぇ
確かに、ご飯には、ワインはあいませんよね
おっしゃるように、食生活の欧米化がワインを身近に

米を作ってる者としては、すこしさびしい感じがします。

出雲には、出雲ワインもありますよ。いちど ご賞味あれ!
肥えた舌には、合わないかも知れませんが...

そうですか。お米を作っていらっしゃる。お米からはいい日本酒ができますから、日本食にはやはり日本酒がいいですね。でも出雲のワインもぜひ飲んでみたいものであります。

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