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封印された想い

Rimg0001a あまりに懐かしくなってまたオークションで落としてしまいました(ちなみに1800円)。このCDはヴァージニアアストレイという女性ボーカルの「Hope in a Darkend Heart」1986年発売でして、日本ではサム・スモール・ホープという題名でありました。

 どういう音楽かといいますと基本がブリティッシュフォークでそれをエレクトリックポップ風(テクノポップというわけではない)味付けをしたとでも申しましょうか。なぜ僕がブリティッシュフォークとお思いでしょうがこのアルバムプロデューサーとアレンジが坂本龍一なのであります。大学生の頃はとにかく坂本フリーク(まあいまもそうですが)でしたからヴァージニアアストレイがどんな人かもしらずにレコードを買いまして、その時は坂本のシンセアレンジは気に入ったもののブリティッシュフォーク調の曲を少女のような透明感のある声で歌う彼女に最初とまどったのも事実。

 それでも、何度も聴いているうちに独特の歌声と牧歌的な曲、そして一ひねりある坂本のアレンジが妙にマッチしていて心が安らぐように感じ出しました。1986年、当時大学3年生だったのですが学生生活最後の年になる前の春休みに勉強するということにして(その頃は一応大学院を目指していたので)、実家にも帰らず帰省して誰もいない学生寮で春の日差しの中で妙にセンチメンタルな気分で聴いていたのを思い出しました。当時の言葉でいえばまさにモラトリアムな気分でありまして、永遠に思えた学生時代もあと一年かと将来に漠然とした不安の中でまだ夢見心地だった自分がいたのでありましょう。その時の気持ちとヴァージニアアストレイが僕の中では完全に一体化してしまっていて、つまりその後社会にでてそんな気分でなくなると同時にまったくこのレコードは聞くことはなくなったのであります。

 あれから21年、なにか突然にこのアルバムを思い出しいてもたってもいられない気持ちになって手に入れて聴きました。一曲目の「some small hope」はデヴィッドシルヴィアンと一緒に歌っており(まさに当時の坂本つながりですね)この曲が本当に素晴らしいのです。ある意味、モラトリアム的な気分からの決別をしなければと思った僕の原点のような曲。あの春休みの昼下がり、たまたま学生寮に残っていた同期の友人と寮の前の芝生のうえで自分たちの将来について語り合ったのがついこの間のよう。でも、その彼も昨年不慮の事故で逝ってしまいました。一つのアルバムが当時のことの瑞々しい記憶と共に手元にまた戻ってきて、失われた時間はもう二度と戻らない。音楽と時間そして偶然と必然、僕にはいつも心のどこかでひっかかることなのであります。

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コメント

時の流れともに
まわりの音楽も~
変っていくし
それが自然なんですが
むかし染み付いたものって
懐かしいですね

その時の光、影、匂い、音楽にはいろいろなものが宿りそして心に残っていくようです。

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