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この時代錯誤な大作はまるでドンキホーテ

Patorc  いったいパットはなにがしたかったのか。パットメセニーを今まで悪く言ったことは一度もなかった僕ですが、さすがに今回の「オーケストリオン」というアルバムはどう評価してよいやら。はっきり言ってこの壮大なお遊びともいえるアルバム、パットご乱心と思ってしまうのは僕だけでありましょうか。

 どういうコンセプトのアルバムか、といいますと、パットのギター以外、ピアノから、マリンバ、ドラム、ベース、ヴィヴラフォン、チューニングされたガラスの瓶にいたるまで、特注で作り上げた自動演奏装置で演奏されているのであります。つまり、機械が演奏してくれるとってもお金がかかった生バンドカラオケみたいな感じ。はっきりいって、このデジタル時代にこんな大仰な装置でやることが、まるでドンキホーテ的。ギター一本もって風車に突入するパットの図を思い浮かべてしまいました。だってこんなことは、今の技術ならもっと簡単にコンピューターとサンプリングで全く同じことできるわけだし、どうせここまでやるなら、人間のアンサンブルの方がはるかにいいのに。

 そりゃ、パットの曲は今回もレベルは高いし、アレンジも緻密で度肝は抜かれる演奏ではあります。だけど、自動演奏させている、ドラムやベースのリズムはあきらかに人間に比べて硬直化してますし、どうしたって単調さはぬぐえないでしょう。何度もいいますが、パットの曲とギターは文句のつけようがないだけに、なぜ、なぜ、こんな愚行といってもいい方法を選択したのか。この演奏は人間では再現できないから、というのなら話は多少わかりますが、はっきりいって、パットメセニーグループでまったくおなじことは可能なはず。むしろ、そのほうが、音楽として命がはいったもっと活き活きとしたものになるのに。これじゃまるで、博物館の標本みたい。

 こんな壮大なしかけはパットじゃなけりゃやろうとも思わないでしょうし、凄いことだとは思いますよ。でもなあ、よりによってパットがなあ。だってパットの良さって、ヒューマンで人間臭く暖かい音楽、血の通った熱のある演奏だと僕は思ってたのよ。これじゃ、「どうだ、俺すごいだろー」というだけで、ぜんぜん血の通った感じがいくら聴いてもしないのです。そりゃそうだわな、パットのギター以外が時代錯誤の自動演奏装置なんですから。とほほ・・・だよ、これは。

 パットだからこそあえて言いたいのですが、なんでこのスタイルを今回とったのか。まあ、考えるに、無邪気な人なんでしょう。子供の好奇心のように、面白そうだー、と思って突き進んだのだろうなあ。そんな、パットという人間はとっても好感をもてるのですが、さすがに、このアルバムは何度聴いても理解できない、といったところが正直な感想であります。

(あくまでも個人的感想なんであしからず)

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