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ジャズ50バカその15

15. 日本人のジャズなんて聴く必要がない、日本のジャズミュージシャンなんてあれはジャズになってない、と言うバカ

 

 ジャズ原理主義とでも言うのか、こういうことを偉そうにのたまうオヤジ達もまだまだいる。というか、高名なジャズ評論家も言っていたしね、マジで。

 ジャズというのは米国で生まれ米国で流行した音楽、だから米国のミュージシャン以外は亜流で本家の真似事に過ぎない。あのリズム感は、米国のジャズマン(特に黒人だそうで)じゃないと出せない味なんだよ。挙句に、「ジャズってさ、僕は70年代から80年代にアメリカに行ってね、そこのライブハウスで聴いたんだけど、当時の現地のピアニストに比べたら日本人の辛島だとか、本田とか二流、三流だからね、やっぱりジャズってそういうもんよ」と丁寧にご説明してくれたおじ様もおりましたよ、過去に。

 まあ、ね、その人がそう思いたいならそれもいいです、が、ジャズって本当に米国のジャズだけがいいの?というか、米国のジャズミュージシャンだって実はピンきりだし、様々なスタイルのミュージシャンがいるしね、一概にそんな乱暴な言い方は本当はできないはず。

 さらに、ジャズというのは語法というか、音楽の方法論に過ぎない、と僕は思っている。どういうことかというと、コード、スケールなどの技法を用いて、それにリズムが加わりその中でテーマから自由に発想してインプロビゼーション(アドリブね)をする音楽、というのがジャズの方法論であり、その方法論を米国以外の国、民族が独自の発想で昇華していく、というのが今のジャズではないのか。だから、フランス人のジャズ、北欧のジャズ、イタリアのジャズ、などなどその国ならではの感性のジャズがあるのよ。だから、日本には日本人ならではの、日本人の感性でしか表現できないジャズがある、はずなんだ。

 言葉にエスペラント語というのがある。つまり世界共通言語というのを目指して作られた言葉なのだが、ジャズというのはもはや音楽のエスペラントではないか、と僕は思う。その語法を使えば、どこの国の人であろうと民族であろうと、ジャズを演奏することができる、そしてその文化ゆえのジャズ、というものができる可能性がある、のではないか。

 もちろん、ジャズのバックボーンを知ることは重要だし、だから米国のジャズ、というものが意味を失う、というものではない。しかし、新しい可能性を秘めた米国以外のジャズ、を否定してしまっては、ジャズ、という本来の姿勢、あり方、そのものを否定することになるのではないか。そう、何度も書いているが、新しいものを取り込んで、古いものをぶち壊し進んでいく、それがジャズのあり方、だと僕は思うからだ。

実際、ミシェル・ペトルチアーニというピアニストがいたが、彼はフランスから出てきたが、それまでの米国のピアニストにはだせない独特のセンスと、斬新なアドリブで一斉を風靡した。また、キューバにも凄いジャズミュージシャンはたくさんいるし、キューバ人でしかありえないジャズをやっている。北欧でも、イタリアでも、ベルギーでも。

 だから、日本人は胸を張って日本人ならではのジャズをやればいい。そのかわり、徹底的に日本人ゆえのオリジナリティ、アイデンティティをジャズにぶち込んでやればいいんだ。変に、原理主義的にひよったって、それこそ、二流、三流ってことになる。でも、ジャズの新たな地平、それを日本人が切り開くかもしれないじゃないか。僕はそういう期待もあって日本人のジャズを聴いているんだ。

 結局、日本人のジャズなんて、というようなこと言ってるやつって、実はブラインドテストしたら日本人だか、アメリカ人だか、フランス人だかわからないんじゃないの?これもいつも言うことだけど、そういうことを言って、自分が聴いてきたものだけがいいんだ、というくだらん自我に固執してるだけ、っていう気がするのだがね。

 とにかく、ジャズというのは、そのぐらい応用力がって、ある意味アバウトで、だからこそ、グローバルな音楽言語なんだ。いや、そうじゃなきゃいけない。伝統芸能じゃないのだから。

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